Beyond the Silence

Sound of Science

2016/2017 振り返りと抱負

今週のお題「2017年にやりたいこと」

・・・に乗っかって、2016年の総括と2017年の野望について語りたい。

 

 

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2016年総括

帰国した。それに尽きる。このブログのタイトルである聴覚障害の克服に、ほんの少しでも貢献できたかなと思える留学であった。

自分の人生の中で一定期間海外に住むという経験ができたことに感謝するしかない。こっちの自分の生活では得られなかったたくさんの出会いがあり出来事があり、家族と過ごす十分な時間があり、論文という結果もついてきた。当然ながら家族には大いに助けられたし、医局所属の医師の身でありながら留学するというのは日本で自分の穴を埋めてくれた先輩・同僚・後輩の力があってのもので、そのすべてと幸運に感謝したい。

 

それにしても多くの出会いがあった。ラボのボス、コンドミニアムのオーナーから始まり、ラボメンバー、ご近所さん、サッカーのチームメイト、日本人研究者会の皆、領事館の人々。立場や年齢を超えて多くの人と繋がり交流することができた2年間だった。こんな濃い2年間は自分の人生で最後だったかもしれない。

 

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このブログを始めるきっかけのひとつに、研究留学の楽しさと意義を、研究者の卵である学生さんや大学院生に知ってほしいという動機もあった。研究・留学のカテゴリでグダグダ書いてきたことが、少しでも誰かの役に立てば嬉しい、特にMDの皆さんにとって背中を押すきっかけになれれば。

 

研究をし、論文を書きに書いた2年間であったが、いくつかの忘れられない旅もあった。旅こそ留学の醍醐味かもしれない。アメリカ本土の旅は、数年後にお預け。

2016年1月 メキシコ

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2016年7月 カナディアンロッキー 

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この旅の途中で長年使ったNikon D40が壊れたのも今は良い思い出。とくにロッキーは再訪したい。5年後くらいに親父を連れていきたい。

 

 

そういえば、留学中にiPhone SEを買った。

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iPhoneについて書いた一連の記事は、マイレージの記事と同じくらいこのブログでアクセスして頂いている。小さくて手になじむ良機種で、iPhone 7S (仮)やiPhone 8が出るくらいまでは使い続けるつもりでいる。

帰国してからの携帯は3大キャリアではなくMVNOのひとつ、mineoのdocomo回線にした。県庁所在地だが回線速度もそれなりに出るのでGood. テザリングもできるのでWi-Fiがないところでも仕事ができて助かっている。3GB契約で今のところ丁度いい*1

mineo.jp

 

 

帰国してからはイチ勤務医として7時22時の生活が続いている (たまに19時に帰れる日もあるが)。留学中にやった実験の半分はまだ論文にできていないので、論文書きとデータ整理は深夜のデスクワーク。ずっと3時間睡眠でやってきて身体を壊した*2ので、来年2月の国際学会が終わったら少しペースダウンして身体をいたわりたい。

 

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2016年最後の夕陽。Nikon D5500+NIKKOR DX 16-85mm

 

 

2017年

どんな年になるだろうか。

時間がたっぷりあるときには金がなく、金がちょっとあるときには時間が無いのが人生ってやつで (両方ないことも珍しくない・・・)、来年は何とか時間をつくりたい。読みたい本、観たい映画 (レビューしたいものが溜まっている・・・)。行ってみたい場所、また会いたい人達。手術の勉強もしに行きたい。手術の勉強は、外科医にとっては一生続けないといけないもので、執刀や助手だけが成長の機会*3ではなく、色々な所から吸収していく必要がある。特に自分達の施設だけでなく、系統の違う他の病院にも見学に行くのが望ましい。国際学会の発表も含め、それらの多くをJALグローバルクラブの修行を兼ねて一石二鳥で。

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というわけで、2017年はJAL JGC取得と、今書いている論文を通すことと、外科医として一周り大きく成長すること、を目標にしたい。ブログももうちょっと更新したいな。

 

 

皆様良いお年を。来年も当ブログをよろしくお願いいたします。

 

*1:電話回線はauの10年物ガラケーを月2000円で使い続けているが、本体が壊れたらmineoにNMPしようと思っている

*2:ストレス性胃炎とめまい症

*3:そういう意味では外科医の最大の教師は患者さん達であるが

立ち位置とキャラと人望についてのとりとめない考察

年末の忘年会シリーズで、久しぶりに職場関係の人たちに多く会って、表題のようなことを考えた。

 

留学中は職場 (またの名を医局ともいう*1 )の人と接する機会も少なく、いろんなしがらみを綺麗サッパリ忘れて過ごしたのだが、やはり帰ってきて今後の自分たちの将来を考えると色々思うところがあるものだ。

 

 

市内某所のとある会員制のお店で、大先輩にご馳走になった。

集まったメンバーは、60歳くらいの大先輩と、自分含む同期5人。この同期は5人中3人が海外研究留学、2人が国内臨床留学をしていて、今では自分以外は中間管理職兼実働部隊として重要な仕事をしている*2。その優秀な同期達を見て、また職場の先輩や後輩など数十人の、立ち位置とキャラと人望を観て、人生の曲がり角において考えることがあった。

大先輩は、月並みな表現になってしまうが多様な角度から物事をみることの大切さを再認識させて下さった。今の立ち位置からでは決して見えないものがあることも知った。そういうことを一度知っておくと、今後の対応に幅を持たせることができる。

これからどうしていきたいか、という話になった。どうしていくのだろうか。自分の中では思い描いている未来があるが、それを実現できる環境をつくれるかどうか、その幸運を得られるかどうかはわからない。誰もがそれぞれの思惑で行動するので、全体の最適解の中に自分の野望を投影していかなければならない。

ここですらもまだ書けないが、それと別の視点でも準備を始めなければならない。正確にいえば、そうせざるを得なくなったときに動けるようにしておくだけでいい。

 

 

いろいろと考えたことを嫁さんと話していて、自分や共通の知人達の立ち位置、キャラ作り、能力と人望の関係などの話になった。ほんとうの意味で人望のある人は少ない。誰もが心のどこかでは得たいと思い、なかなか手に入らないもの。トップに立とうと思ったときに必要なもの。余談だが、自分を含め最近は昔ほど教授になりたがる人がいない*3

決断力とかリーダーシップとか包容力とか、ことばで表すと単純にみえるが、錯綜した人間社会での振る舞いでそれを発揮することは難しく、他人の評価は減点法なので常時気が抜けない。元々そういうものに縁が無い自分としては、発揮する以前にどうやって獲得したらいいかすらわからない。でも我々の職場はいつか誰もが各部署で上に立たなければならない構造になっている。

 

 

立場が人をつくる、というのは最近思っていること。今の勤務先では下に2〜3人いて、これまで (留学前まで?)一番下キャラでずっとやってきたのを変える必要性に迫られた。上司や部下に恵まれたこともあって案外順応しつつある今、もともと持っていなくても、必要最小限くらいは立場が補充してくれるのかなと思ったりしている。能力を生まれもった人にはどうしても及ばないかもしれないが、それもまた長所になりうるのではないだろうか。

 

 

優秀であることは人望があることと必ずしも一致しない。仕事の能力はある程度必要だが、十分条件ではない*4。実務能力、人に好かれるキャラ、ある程度の威厳、などが必要な要素だろうか。

人に好かれるキャラは、それが仮につくりものだったとしても嫌われるよりは良い。作り物でなければさらに良いが、我々の世界で善人を探すとなるとかなりのレアキャラだ。そして多くの賢い人は作り物であることを他者に見抜かれないようにする術を心得ている。威厳・・・自分にはこれまた全く無いので、息をするようにそれを纏える人が羨ましい。これもまた、立場によってつくられるのか?

 

良いロールモデル (=自分と似たようなところから出発して高みにたどりついたお手本)がいないので、しばらく職場内外で人間観察してみようと思う。優秀な同期や後輩達の成長を見るのも良いだろう。本当はもっと本を読めるといいのだろうが、論文につぐ論文で手が一杯。来年夏くらいには時間が少し取れるだろうか?なにかオススメの本があったら紹介してください。

 

 

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iPhoneSEで撮影した夏のボウ川。心に捺された原風景のひとつだ。

*1:勤務先=職場ではなく、医局=職場という認識。自分らは医局人事で動く派遣みたいなもん

*2:自分は皆より2年遅く留学したので現時点では別コースを歩んでいるが、本来の立ち位置的には同じである

*3:薄給のわりに激務。昔ほどの名誉もうまみもなく責任は問われる厳しい立場である

*4:能力があるのに人望がない人が山ほどいる一方で、人望があるのに能力が無い人を見かけないことからすると必要条件ではあるのだろう