Beyond the Silence

Sound of Science

メンターシップ

この9月から、学生の指導をやることになった。
はじめにボスから、メンターになる気はあるかと聞かれる。こっちでは指導する/される立場のことをメンター/メンティーといい、指導というよりも助言者のようなイメージ。必要があれば助けるが、基本的にはメンティー (この場合は学生)本人が自分の力でやれるとこまでやる。自主性を重んじる文化ならではのシステムだと思う。

以前大学院の後輩を指導しきれなかった (その子は産休を経て退学してしまった)経験があるので躊躇したが、結局二つ返事で引き受けた。

担当した学生は医学部志望の学部3年生で、ニューロサイエンスに興味があるとのこと。ラボでの経験もあり、実際一緒に実験をしてみるとそれなりに手慣れた感じで頼もしい。
ボスから彼のテーマを決めてくれと言われたので3つほど考えてそのうちの一つが採用されたのだが、苦節3か月、ついに良いデータが出た。日々少しずつ技術的な進歩があり、論文検索からアイデアを得て改良を加え、最終的に世界初の (それがどんなに些細なものであろうとも)データを得ることの喜びは、研究者の醍醐味だと思う。

彼がいつかサイエンスの世界に戻ってくることを願ってやまない。自分も頑張ろう。
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