Beyond the Silence

Sound of Science

省エネ勉強法

id:goodbyebluemonday23 さんのホッテントリ、「勉強ができる人とできない人の、ノートの取り方における決定的な違いについて」という記事*1を読んで腑に落ちたので。

 

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引用させていただくが、この図は非常にわかりやすい。

"A"とは勉強ができない人のノートの取り方で、黒板に書かれた文字をそのまま自分のノートにコピーする。コピーするだけなのでCPUは働いていない。

”B"は勉強ができる人のノートの取り方。いちど自分の頭で内容を咀嚼し"B-1"、要点を自分の言葉でまとめる"B-2"。CPUフル回転。

省エネ勉強法

思い返すと、自分はBの方法でやってた。友達に教えるのもB-2の延長。さらに"B-3"として、授業中に時間をみつけて教科書の練習問題を (間に合えば宿題も)解いてしまっていた。先生の話は定理や公理など絶対に覚えないといけない決まり事や問題の解き方の要点を集中して聞き、授業だけで教科書の内容を理解するように努めていた。授業内容の理解に最大のエフォートをつぎ込むことで自宅での勉強時間を極限まで減らすことに成功?した、という話。

教師から見ると、ろくに話も聞かないし勉強時間も足りないのになぜかテストの点だけはいい奴、という印象だったかもしれない。塾にも行かず、小中は部活動もしていなかったので帰宅後の時間を友達と遊ぶことや読書に充て、高校時代は部活と趣味に充てていた。塾代がかからない親孝行な子供だったにもかかわらず、テレビゲームは中学までは買ってもらえなかったので、高校に入り華々しくデビューするまではファミコンPCエンジンセガサターンメガドライブスーパーファミコンなどを持っていた友達が羨ましかった。ある友達の家にはツインファミコンまであった。

 

この超・省エネ勉強法は、数学や理科、漢文など法則をマスターしさえすればその応用だけで問題を解けてしまう科目に威力を発揮する反面、歴史や英語などコツコツと記憶・反復練習することが必要な科目にはあまり向かない。自分にはその忍耐力が無かったので、今もこうやって英語で苦労している。時間をかけることも大切だと過去に戻って教えてやりたい。

念のため申し添えておくと、大学入試の勉強は自分なりにマジメにやった (現役のときも、医学部再受験のときも)。が、このとき覚えた英単語や文法は数年後にはきれいさっぱり忘れてしまって、やはり英語に対する苦手意識は拭えなかった。

 

大学時代

余談だが自分の中で黒歴史となっている大学時代の教養科目について触れておきたい。理学部に進んだので微積線形代数や力学などいわゆる大学理系の基礎の講義を受けたのだが、講義中に理解できる範囲を越えたものが現れ始めた。今になって思えば、わかりやすく教えることに特化した高校までの教師と、研究が主体で教育はサイドワークである大学教員の教える能力の差が、自分のようなショートカット学生にはダイレクトに響いたということなのかもしれない。単に自分の能力が足りなかっただけかもしれないが。何とか試験は通ったが、勉強で挫折を感じた2年間であった。

再受験入学した医学部の講義は、今ならば、実際の臨床や興味深い生理現象とリンクさせて理解しつつ楽しめるだろうが、何の経験もない不良学生にとってはひたすら暗記で退屈であった。

試験は膨大な暗記が必要であったが、ひたすら紙に書いて力業で覚えていた"A"タイプの人も多かった。自分は怠け者気質が幸い (災い?)して、教科書を読んで理解し本当に必要なとこだけ覚える、どちらかというと"B"スタイルで勉強していた気がする。

 

勉強と研究の違い

一方で研究は、

  • 問題を定義・創出し
  • 方法を考案・工夫し
  • 結果について考察を加え
  • 論文や報告として世に問う

作業の連続であり、高校までの (大学までの?)勉強法は通用しない。そこから先は、深掘りした専門性をベースに自分の頭で考えることが重要になってくる。天啓のようなひらめきやセレンディピティも、深くて広い知識と思考に費やした時間がなければ生まれてこない (一部の天才や小保方さんは別かもしれないが)。リラックスして物事を考えるには、ある程度、連続した静かな時間を確保することが必要なので*2、育児との両立はなかなか難しい。それをさらっとやっているボスに、今度時間の使い方について聞いてみようと思う。

 

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