花粉症のメカニズム
II型
あるウイルス性肝炎とか慢性甲状腺炎のように自己の細胞をIgGが異物と認識
III型
IV型
V型
花粉症はなぜ増えているのか
我々が子供の頃は、こんなに花粉症は多くなかった気がする。自分は昔からアレルギー性鼻炎持ちだったが、おそらくハウスダストが原因で、スギ花粉症を発症したのは29歳のときだ。何歳になっても発症するので、年を取っても油断できない。
スギは生長が早く、40〜50年で”一人前”になるので、戦後の復興〜高度経済成長期にたくさん植林された。戦時中に浪費された森林資源を復旧し高まる需要に対応するためであったが、高品質な輸入材に押されて日本の林業は衰退し、伐採されないまま2000年代以降に多くのスギ林がピークを迎えた。
二酸化炭素の吸収源になるとの理由で現在も植林が続けられているらしい。OMG.
毎年この時期になると出てくるのが耳鼻科と製薬会社の陰謀論。ここに花粉症に苦しむ耳鼻科医がいることからも、それはあり得ないと思われるが果たして。。
他にも、大気汚染が花粉のアレルギー反応を助長する説とか、日本人の体質が変わったからだとか、様々な説があるが、第一はこの過剰な計画植林だと思う。赤く染まった地方の山林を見るとゾッとする。花粉の出ない杉があるらしいが、コストのためかあまり植えられていないようだ。
花粉症の治療
花粉に曝露されなければ発症しないので、発症しないようにするのが本当はベストだが、発症してしまうと後戻りはできない (困難)。大きくわけて戦略は3つ。
1.曝露を減らす
曝露を減らすことは何よりも大事。マスク、空気清浄機。マスクは顔の形に合わせて変形するワイヤー入りのものを正しく着用する。上着に付着した花粉を家に入る前に落とすことなど。
2.ヒスタミン・ロイコトリエンなどの炎症反応をブロック
かゆみや鼻水の原因であるヒスタミン、鼻づまりの原因であるロイコトリエンの、受容体に対する結合を抑える。抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬などが市販・処方されている。炎症反応全体を抑える副腎皮質ステロイド薬の点鼻も有効。ステロイド内服は超重症を除きお勧めしていない。例外として数日間のステロイド・抗ヒスタミン薬合剤の内服を処方することはある。
抗ヒス剤は眠くなる薬の代表格。眠気の強い第一世代と、対策の施された第二世代に分けられる。これは、ヒスタミン受容体が脳にも発現しているためで、中枢移行を抑えたものが現在は主流。さらに最近では光学異性体を分離して、有効な成分のみを摂取できるようにした薬剤もある。
・・・が、眠気は結局のところ相性のような気がしていて、自分は薬剤Aは全く眠くならないのに対して某薬剤Bは製薬会社の説明に反し強烈な眠気を覚える。車を運転するかどうかを事前に問診し、最初は短期間の処方で様子をみてからシーズン処方をするように注意している。
インペアード・パフォーマンス - Wikipedia といわれる、自覚されない脳機能の低下が問題になっているので、市販のものを買う際にも要注意。
ロイコトリエン拮抗薬は眠気も少なく非常に良い薬なのだが、抗ヒス剤ほど切れ味がよくないのと高価なので、鼻閉型の人以外には第一選択にはならない。
3.花粉=抗原という身体の記憶をリセットする
最近、 舌下免疫療法として話題の治療法。例えば白米はほとんどの人がアレルギー反応を起こすことなく摂取できるし、自分の身体の細胞もリンパ球に攻撃されることは普通はない (腫瘍を抑えるメカニズムでもあり、それが破綻したのが自己免疫疾患である)。それには「免疫寛容」という仕組みが関わっていて、これは自分、これは敵、これは自分じゃないけど敵じゃない、という高度な振り分けを免疫システムが持っていることによる。一度異物として認識されてしまった花粉を、あたかも食べ物のように認識し直すことができれば良い、という治療法が免疫療法で、スギ花粉そのもの、もしくは蛋白の一部を摂取して”慣らして”いく。
年単位の時間が必要で、これもアレルギーの発症と同様体質などが関わるため人によって効果が違う。自分は内服の免疫療法を治験の段階で2年間試したが、少し軽くなった程度であり、抗ヒスタミン薬は手放せなかった。
高濃度のアレルゲンを投与するので、超過剰な免疫応答 (アナフィラキシーショック)のリスクがあり、この薬を健康保険適応下で処方するには講習会受講が必要。どこの病院でもやっているわけではないので注意。
このテーマは鼻炎の専門家が研究を続けているので、近い将来アップデートされることを期待。
まとめ
- 花粉が少なければ症状は出ない。
- 日本に帰りたくない。
- 治療は専門家と二人三脚で。
「スギ花粉 画像」で検索して出てきた画面のスクリーンショット。閲覧注意レベル。