1500近くもブクマされているのであえて自分が言及することもないのだが、普通にすごい。
William Gadoury君は、「マヤ暦で2012年に世界の終りが予言されている」という逸話を知ったことをきっかけに中米の古代文明に興味を持ち、3年前からある仮説を立てて独自に「研究」を行っていた。その仮説とは、マヤ文明の古代都市が星座の並びを模して配置されているというものである。
この少年が凄いのは、
1.知識に基づいて
2.仮説を立て
3.検証・実証する
という研究の3ステップを弱冠15歳で自ずから会得している点だ。
おそらくマヤ文明が天文学に長けていたことや、残存する建造物が星や太陽の観測装置として機能していたと言われていることは知っていただろう。
一番感心したのは、
「なぜマヤ文明の都市は川から離れた山奥の不便な場所に造られたのか?」
という疑問を抱いたところ。研究というのは問題設定で決まるような部分がある。これと星座の位置関係がリンクするのではないかという発想がこの少年の勝因だ。
15歳の頃の自分もニュートン別冊の「失われた古代文明」とかを読んでいた少年だったのでこの知識はあったはずなのだが・・・。自分で設定した問題を自力で解明するあたりはデジタル・ネイティブ世代の強みか。使ったのがgoogle mapということは、コンピュータやスマートフォンさえ使えれば誰にでも可能だったということではないか。誰もが拾えるはずの小石に気付く能力と運。羨ましい〜。
彼はこの研究成果を全カナダ科学エキスポという学会で発表するらしい。William君の将来が楽しみだ。
ユカタン半島に昇る朝日。白飛びしている。Nikon D40+NIKKOR DX 16-85mm
ちなみに、マヤ文明が滅びた原因には諸説あり、ジャレド・ダイアモンドの
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
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なんかは説得力のある説を提供しているが、異なる (というより原因を特定できない)意見もある。こういうの読んでいると愉しい。
メキシコ好きな方のブログでも言及されている。
二度目の大学を決めるときに、古代文明の研究をしたい気持ちがほんの少しだけあったのだが、これは仕事ではなく趣味にとどめておこうと考えた。たまにこういうニュースを見ると、懐かしさと嬉しさとちょっとの苦々しさを思い出す。