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2017フライト記録3〜8 北米出張with旅のラゴス

前回記事でも少し触れたが、今回のフライト記録を残しておきたい。

飛行機の中で読んだ、筒井康隆「旅のラゴス」の感想文とともに。

www.aurora3373.net

 

行きはFUK→NRTDFW→BWI

帰りはBWI→BOSNRT→FUK。青はプレミアムエコノミー、赤はビジネス。いずれも元はエコノミーなので、FOP積算率は100%だ。そして国際線国内部分にも100%の積算率、400FOPボーナスマイルがつく。FUK→HNDのファーストクラスと600FOP違うが、価格が1万円 (だったと思う)で非常にリーズナブルなのでこれで良し。

 

長いので目次 

 

 

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往路 FUK→NRTDFW→BWI

出発当日の朝は、前日から降り続く雪の影響でタクシーの予約ができず、4時に起きてタクシー会社に電話した。この、本当に必要な時に予約ができないって意味がわからないが、予約が殺到するのと時間が読めないのでそうするしかないのだろうか。

飛行機はJALカードで予約したため、海外旅行保険の利用付帯部分をフル活用するためにANAカードでタクシー代を切ればよかった*1。ちょうどいい現金があったので、財布のコンパクト化のために現金で払ってしまった。もっといえば海外用財布を別に用意しておきたいところ。財布はお札も小銭も中に仕切りがあって、普段は大小で分けているが、海外では円とドルに分けて使うことができるので混乱しなくていい。チップと食事の割り勘くらいしか、現金を使う機会はないのだが。

 

国際線プレミアムエコノミーの切符を持っていたので、福岡空港で上級チェックインカウンターに突撃してみた。場合によっては受け付けてもらえるらしいがすげなくお断りされ、長蛇の列の通常カウンターに並ぶ。JGCがあれば素通りできるので、修行達成の意欲が湧くというもの。

同様にサクララウンジも利用できず、出発までその辺の椅子で時間を潰した。

窓側のA席からは富士山が見えた。行きも帰りもAで正解かな。

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成田空港では、満を持してサクララウンジへ。カレーと白ワインを頂く。

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ワインの銘柄は忘れてしまった。美味しかったのでメモしておけばよかった。

空港の書店でふとみかけたこの本を購入。

 

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

 

はてな界隈でも一時期話題になり、多くのレビューがなされたので書名は知っていたが、論文や学会の準備に飛行機の中くらいは追われずに読書をしようと思って買った。大正解だった。 

読書感想文 旅のラゴス 

内容紹介 (Amazonより)

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

 

 旅とは人生であり、人生とは旅である。少しのSF要素もしつこくなく読みやすさに一役買っている。辿り着いた南の国で、自分の目的達成のために37歳のオッサンがふたりの17歳を妻にするとかいうのがちょっとアレだけど、良い物語には必ず旅の要素がある。というより、自分が好きになるタイプの本は旅する系のものが多いのか。

 

ラゴスの独白

「人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれでいい筈だ」

は、人生の折り返し点周辺にいるはずの自分に深く突き刺さった。自分に適したことに時間を充てられる、つまり自分に合った仕事に就くことって難しいし運の要素も強いと思う。自分もまだ、今やっていることが本当に合っているのかわかっていない。42歳くらいまでには方向性を決めないとな。。

時差調整のためにメラトニンを飲みつつ、起きている時間で少しずつ読み進めた。アメリカ大陸上空に入ったあたりで読了してしまったので、帰りに読む本がなくなってしまった。2回も奴隷の身に落ちるが、そこからの脱出法が、物語の主人公らしく多少のご都合主義はあるけれども痛快である。

ラゴスの最期は物語中では語られていない。結婚し子供ももうけたモテ男が、心の中に住む少女にここまで焦がれるということが現実にあるか。「可能な限りの時間を充て」て、やるべきことを成し遂げ、兄を立てつつ身を引く姿は美しい。90年代の作品であり、女性に対する描き方が今なら少し違うのかもしれない。

 

 

余韻に浸りながら乗り継ぎのDFWへ到着。テキサス州の北にある大都市ダラスはこの日全米で最も暑く、雪が降った日本と目的地の東海岸にあわせてCANADA GOOSEを着ていたので移動がしんどかった。入国審査は機械にパスポートを読み込ませ、指紋を登録し、セルフィーを撮影する感じで自動化されていて、それが済んだ後に簡単な質問をゲートで受けるだけ。トランプが大統領になって入国審査が厳格化されているのかと危惧していたがそんなことはなかった。

無事米国に入国、乗り継ぎ便の時間まで2時間半程度あったので、プライオリティパスを使ってラウンジに入ることにした。

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Dウイングのわかりやすい場所にある。以前当ブログでANAカード、JALカードの比較をしたときにプライオリティパスについても少し書いたと思うのだが*2、JALのプラチナカードを作ったときに特典のプライオリティパスも申請しておいた。年会費4万円相当のプレステージ会員*3に無料で申し込みできるという海外出張の強い味方だ。全てのラウンジで使えるわけではないが、アプリで空港毎にラウンジの場所がわかるので、特に国際線から国内移動に乗り換えるときの長い待ち時間には威力を発揮するのではないか。

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クロワッサンとコーヒー、ポップコーンはおまけ。水やジュースも飲み放題。国際線の機内食で結構食べたので、軽めの朝食に。

往路

1,534+6,836+848=9,318FOP

 

帰り BWI→BOSNRT→FUK

帰りはボストン経由。朝5時半にエアポートシャトルを予約しておいた。往路で使った会社のレシートに割引コードがついていたので、まんまとそれに乗っかった。1人17ドルと格安。タクシーだとチップ込みで90ドルくらいかかるので、随分とお得。

 

ボストンは雪。

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五大湖の風下にあたるこの街はよく雪が降る。街は雪に覆われていた。しかしながらアメリカの街並みを機内から眺めるたびに、シムシティをやりたくなる。6x6ブロックの中密度住宅区域をグワッと引いたかのような。

 

ボストン国際空港は比較的小規模な空港で、至る所が改装中であった。ラウンジに降りるエレベータも止まっていたが、裏に階段が隠れていて入れた。プライオリティパスのラウンジはCウイングに、日本へ向けて出発するEウイングには航空会社のラウンジがあった。その近くにエールフランスの専用ラウンジが工事中であった。

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お酒飲み放題。偶然同じ飛行機で帰る元同僚とワインを2杯ほど。係のお姉さんが並々と注いで来たので、2杯目は全部は飲めなかった。ビジネスクラスチケットでラウンジに入ったのだが、本来は同伴者は入れないので、ダメ元で頼んでみたらOKだった。空いていたからかもしれない。

 

 

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ビジネスクラスに久々の搭乗。JAL SKY SUITEという、すべての座席が独立して通路にアプローチできる構造。安心して窓側に座れる。写真はウェルカムドリンクのオレンジジュース。シャンパンと選択可。

この日は偶々なのかこの路線が人気無いのか非常に空いていた。機体の中程までがビジネスクラスだが、半分も埋まってなかったと思う。

 

搭乗時点で日本時間の深夜だったので、メラトニンを飲んで眠った。メラトニンは日内リズムに従って睡眠の周期をつくるホルモンであり、日本では手に入らないが北米では薬局でサプリメントとして売っている。日本国内には2か月分まで持ち込めるので、留学から帰国するときに50錠入りのボトルを買っておいた。体内時計を調節できるので、帰国後に仕事や大事な用事がある時には重宝する。

 

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目が覚めて、取り置きしてもらっていた和食をいただく。2食分一気に来たのでかなりのボリュームで、少し残してしまった。ご飯と味噌汁最高です。

 

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機内の映画チャンネルで、新海誠監督の前作である「秒速5センチメートル」があっていたので視聴。ハッピーエンド好きなのもあるが、自分には何かモヤモヤする話だった。ロケットとか宇宙は好きなので、そっち方向に向かって頑張る話かなと思ったら全然違った。主人公は弓道部で、行射のシーンはかなり丁寧に描かれていたのは評価ポイント。

 

13時間のフライトで成田に到着。フラットシートで8時間くらい寝ていたのでほとんど疲れなかった。成田ではビジネスクラス特典の国内線ラウンジに入って福岡行きを待つ。国際線出発ラウンジと違ってカレーもなく質素なラウンジだった。出張中からカレーが食べたくてたまらなかったので残念だった。

 

福岡に向かう機内でこれを書いているが、すでに4000字を超えてしまった。ここまで読んで頂いた方がおられたら深謝します。

この出張は2年に一度くらいはあるので、またビジネスクラスに乗るべくマイルを貯めていきたい。

 

769+7100+1534

累計 22,825FOP (+初回搭乗5,000=27,825FOP)

 

 

 

*1:カードの海外旅行保険には自動付帯とカード使用に付随するものがあり、ANAカードはプラチナじゃないので利用付帯部分が大きい。今回は結局ホテル代をANAで払った

*2: 

www.aurora3373.net

*3:毎回無料でラウンジが利用できる。物によっては毎回利用手数料のかかる会員ステータスもあり、わざわざお金払って利用しないと思う

北米出張、国際学会

2017年初の国際学会出張。

この学会は主に耳の基礎研究という非常にマニアックな分野の学会で、この道の大家達がこぞって参加する。よくみる論文のラストオーサーや、雑誌の編集長などがそのへんを歩いている。出した演題が良ければ質問も飛んでくる。そういう、世界を身近に感じられる会である。

 

国際学会に参加して毎度思うのは、医学や基礎研究の世界は、英語で回っているということだ。どんな素晴らしい研究成果を持っていても、それを英語で発表*1しなければコンセンサスを得ることはできない。日本語雑誌の読者数が英語のそれに比べて圧倒的に少ないのが原因であり、べつに自分がアメリカとかイギリス至上主義というわけではない。本当に画期的で世界をリードする研究ならばそれが日本語で書かれていようと翻訳してでも手に入れようとする人達はいるだろうが、多くの研究成果は、今よりほんの少し、知見を広げることに寄与するものであり、情報の入手しやすさが最も大事である。

 

 

また、研究者同士のネットワークがこっちは非常に発達している。留学中も思ったが、研究はラボでのみ行われるのではなく、こういった学会会場でも行われている。本来はそのようなことは起こってはならないのだろうが、顔見知りの論文のほうが編集者としても通しやすい部分はあるだろう。日本からサブミットした論文が全く受け付けられず、同様の内容をアメリカから投稿するとminor revision程度であっさり通ることはよくある話。責任著者となるラボのボスが、ひらたく言えば政治力、交渉力、顔の広さをどれだけ持っているかが重要だったりする。言語が異なる日本人はその時点で不利だと言わざるを得ない。たまに日本人でもこの手の能力に長けた人がいるけれども。

 

 

そういうわけでこの学会、非常に刺激的で参加するだけでもワクワクするのだが、それと同時に、研究をこのまま続けていくのは難しいのではないかという不安も出てくる。日本からはいくつかの大学から数人ずつ参加があり、今回うちの大学からは自分1人ということもあるかもしれない。最近の研究は1人でやっていくのは難しく、チームでデータを出し合ってひとつの研究を成し遂げる時代だ。

そんな弱音を吐きたくもなるが、病院での仕事を休んで来ているので、自分や後輩達にとってプラスになる出張にしなければならない。そろそろ昼休みが終わり午後のセッションが始まるので、会場に向かうとしよう。

 

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ホテルの窓からiPhone SEで撮影。荷物の制約上、今回はデジイチは持参せず。

 

 

 

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移動手段は当然ながらJAL・アメリカン航空。ちなみに行きはプレミアムエコノミーの通路側席、帰りはビジネスの窓側席。アップグレード可能なエコノミーの切符 (FOP付与率100%!)を買って、マイレージでgetしました。ビジネスクラスは久しぶりなので楽しみ。フルフラットになるシートであることを祈りつつ。飛行機関係は帰ってから論文執筆 (ボスから急かされてる)の合間にレビューします。

 

 

現時点で確認できたFly-on Point加算は

1,534FOP (国際線の国内部分、エコノミー、100%付与+搭乗ボーナス400FOP)

国際線部分、アメリカン航空運行のアメリカ国内部分は未加算。数日かかるようだ。日本国内部分に搭乗ボーナスがつくのは大きい。往復で800ポイントももらえる。

現在のところトータルで6,648+5,000 (初回搭乗ボーナス、未加算)=11,648FOP。アメリカ国内でそれなりに距離を乗るので何ポイントになるか楽しみだ。

 

id:jalshugyoさんにお誘い頂いたそらとも倶楽部にも搭乗回数で貢献中。

jalshugyo.hatenablog.com

*1:具体的には論文、学会発表