我らが母国語たる日本語で留学できればいいのだが、そうもいかない。
学術論文のほとんどが英語で発表される研究者の世界の公用語は英語であると言っても過言ではないだろう。他の外国語が別に得意なわけでもないので、留学先は英語圏で探して、運良く北米のラボに受け入れが決まった。
読み書きはできても会話が苦手という日本人の例に漏れず、自分も渡航当初はほとんど聴き取れなかったし言葉が出てこなかった。よくあの状態で留学しようと思ったよね、と未だに妻に言われる。
海外に住むに当たっては、やらないといけないことが沢山ある。
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入国審査
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家が決まるまでの滞在
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領事館へ在留届け (これだけは日本語!)
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銀行口座開設
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社会保障番号の申請、交付
- 住居の選定、契約
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携帯電話購入、インターネット手続き
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運転免許、健康保険の申請
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税関で船便受け取りの手続き
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自動車の入手
- 自動車保険の手続き
国や都市によっても違うが、生活のセットアップだけでこれだけのことをやらなければならない。何気に大変なのが毎回の食事。さらに仕事先では
あたりをこなしつつ実験を開始する。当然全部英語、もしくは現地の言葉。フランスやチェコ、スウェーデン、ギニアなどに友人が行っていて尊敬する。英語だけでも大変だったのに。
前にも触れたが子音の聴取が困難な自分にとって英語は非常にハードルが高く、本当によく留学しようと思ったものだ。5教科のうち英語だけはずっと苦手科目で、これは子音の聴き取りができずに中学時代の英語の教師から酷い扱いを受けたトラウマからきていると思っているのだが、こと海外で暮らすとなるとそうも言っていられない。
留学が決まってから渡航までに1年弱あったので、学内で定期的に開催されていた英会話レッスン (学部の英語の先生のところにおしゃべりに行く会)に参加したり、英語が堪能な日本人にマンツーマンでレッスンをしてもらったりしていた。CDやラジオも聞いてみたが長続きしなかった。
あっという間に出国の日がやってきて、いつの間にか入国していた感じでやるしかないと腹はくくったのだが、気合いで何とかなるものでもなく最初は本当に大変だった。この時期を乗り切れたのもひとえに英語が得意な妻のおかげである。感謝感謝。
この後英語力はどうなっていくのか、またレポートします。