聲の形、か…
聲の形という漫画の存在は、Twitterの難聴クラスタの間で話題だったので知っていたが未読である。クラスタのほとんどが難聴が原因でいじめに遭った記憶があり、リアルすぎてトラウマが蘇るというレビューが多かったのを覚えている。日本の学校では人と違う特徴を持った子ってかなり高確率でいじめられている気がする*1。
幼少期より難聴のあった自分も例外ではなかったが、クラスメイトに勉強を教えられる程度には成績が良かったのと、ドラゴンクエストIVの攻略法について番長 (そういう土地柄の中学で育った)の相談に乗るくらいには関係が良好だったことなどで変に一目置かれていたのもあっただろうし、転校も経験せず友達に恵まれてきたので、自分の場合はこの主人公とは違っていた。未読なので何とも言えないが、トピシュさんのレビュー (暖かく秀逸!)をみるかぎり、自分の学校生活はこの漫画ほどは暗黒ではなかった。なかったのだと思いたい。
紹介文のなかに、補聴器8台を壊されて170万、という記述があった。耳を壊さない*2、きちんとした補聴器を買おうと思ったら両耳で最低15〜20万はする*3。うちはお金がなかったが、親に欲しいと言えば無理をしてでも用意してくれたかもしれない。だけど結局思春期を裸耳で過ごしたのは、恥ずかしさだけではなく壊されるリスクを考えてのことだった。物理的衝撃のほか、強い磁石や少し濡れただけでも壊れてしまうものなので。裸耳であったことによる機会損失の最大のものは、勉強面では英語学習に対する意欲を中学のときの英語教師にポッキリ折られたこと。そしてせっかくずっと男女共学だったにもかかわらず、中〜高音が聞こえづらい聴覚スペクトルをもっていたために女の子との会話は絶望的だったことである。この黒歴史は最初の大学を中退するまで続いた。
そういったいわば自分の暗黒時代を、レビューだけで掘り起こしてしまう漫画 (トピシュさんのレビューが秀逸なのもあるだろう)。読んでみたいが、正直読むのが怖い。公式PVをみるだけでガンガンフラッシュバックする。。
学校生活といえば、やたら話題になってたのでチラ読みしてみたこの漫画も、確かに甘酸っぱくて切ないのだが、こんな普通の学校生活を送ってみたかった、というregretのほうが強い。何か人と変わったところがあると、こんな思い出を持つことができないのだ。

からかい上手の高木さん(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
- 作者: 山本崇一朗
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- 発売日: 2014/09/10
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そんな女の子がいるはずない、とか、悪かったのは耳だけじゃないだろとかいう意見はお断りします。
こちらでは本を手に入れるのは骨が折れるので、帰国してから読んでみるかもしれない。その時は自分の言葉でレビューを書いてみたい。補聴器についてもそのうちちゃんとした記事を書きます。

聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
- 作者: 大今良時
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/12/17
- メディア: コミック
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全巻セットがあった。
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